読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ハタラキアリの徒然日記

働く中で気づいたことについて書くブログです。仕事での「気づき」やビジネス書の書評などを書いています。

得意

優秀な人ほど、「得意」なことは少ない傾向にあるようです。

競泳選手は競泳を「得意」だと考えているか

ものごとについて考えるときは、極端な例で考えたほうがわかりやすいことが多くあります。

「得意」について極端な例で考えてみましょう。

マイケル・フェルプスというアメリカの水泳選手がいます。

フェルプスはオリンピックのメダル数が世界一であることで有名(?)で、2017年現在では28個の金メダルを獲得しています。

バタフライや個人メドレー*1などで世界記録を保有し、自由形のリレーなどでも戦績をあげています。

f:id:ndel:20170424120443j:plain

バラフライを最も「得意」とする競泳選手であるフェルプスに「平泳ぎは『得意』ですか」と質問したとしましょう。

おそらく「そんなに『得意』ではない」という答えが返ってくるのではないでしょうか。

個人メドレーで世界記録を保有しているということは、ほかの競泳選手と比べても平泳ぎを速く泳げるはずです。

しかし、フェルプスにとって平泳ぎは「得意」ではないのです。

「得意」の基準

先の例では、ほかの競泳選手よりも速いのにもかかわらず、本人にとっては「得意」ではないという例でした。

このことから、「得意」というのが本人のなかで相対的なものだということがわかります。

「得意」とは、自分のなかで「得意」なものと比べて「得意」なのかどうかであって、他人の「得意」と比べて判断されるものではないということでしょう。

言い換えれば、「得意」の基準は、自分にとって最も「得意」なもののレベルによって決まるのです。

「得意」なものが多いということ

就職活動でいろいろな企業にお邪魔したときに、「得意」に関して気づきがありました。

企業によって「得意」や「できる」、「わかる」、「専門である」といった言葉の水準が大きく違っていたのです。

ある外資系証券会社のインターンに参加したとき、ある社員に「この会社の財務について質問したいのですが・・・」と声をかけると、次のような返事をいただきました。

「私はコンシューマ・リテール*2の『専門』だから、インターネット企業の財務は『得意』じゃない。インターネット企業の財務が『わかる』人を呼んでくるよ。」

学生がするレベルの質問には間違いなく対応できるであろう社員が、「『得意』じゃない」といって、わざわざほかの社員を呼んでくださったのです。

f:id:ndel:20170424120522p:plain

対照的な例もありました。

マーケティング・リサーチを行っているあるベンチャー企業のインターンに参加したときのことです。

そのベンチャー企業の社員は次のように発言しておりました。

「マーケティングも調査もわれわれの『専門』だからなんでも聞いてくれていい。消費者の趣向を調べる案件は担当したことがあるから、この分野なら『わかる』よ。うちはインターネットの会社でもあるから、ウェブも『得意』としている。」

彼らは、インターンのコンテンツのほとんどの部分について「専門」だとか「わかる」「得意」などと表現したのです。

いうまでもなく、そのベンチャー企業の社員の「得意」「わかる」の一部は、学生である私と比べても頼りない水準でした。

安易な「得意」に流されないで

上記の2社では、自分にとって最も「得意」なものという「得意」の基準が異なっていたのでしょう。

ほかにも多くの企業にお邪魔しましたが、やはり優秀だと感じる社員ほど、安易に「得意」や「わかる」などとは言わない傾向があったように思えます。

優秀でありたいと願うかたは、「得意」を減らしながら成長してみてはいかがでしょうか。

*1:1人でバタフライ・背泳ぎ・平泳ぎ・自由形を順番に泳ぐ、競泳の個人種目。4つの種目を泳がなくてはならないので、高い総合力が問われます。

*2:消費財や衣料品などを扱う分野のこと。たとえば、花王やファーストリテイリングなどが当てはまります。